平和が一変

序章は、トからのメールだった。
夕方、食事を作るころ、メールと電話。電話には怖くて出れない。
「いくね!!テル心配だから。嫌なら返信お願いします」
!!慌てて、来て欲しくない旨を返信。公共の場や日中なら少しは気が楽だが、一対一、夜。トと二人だけでは一緒にいられない。慌てて、社長にきてもらうことにした。更にメールと電話が続く。
「はい?この一ヶ月、くものこの住まいを知らないフリをしていましたが、ひどいよね。で、裁判するの?嫌なら、今から行きます」
「住宅XX着いたケド?」
間違いない住所です。トからの精神的虐待から逃れる為に、ようやく見つけた安息の場所をトに知られたのは大変なショックでした。書類は全て、トの住んでいる住所で対応していたはずなのに、なぜばれたのか分かりません。テルの送迎の後をつけていけば分かるので、その方法で知ったのでしょうか。
同居していた頃の、悪夢が蘇ってきました。
電話は鳴り続けます。メールも続きます。
「電話でれば?」
「野宿します」
「体痛いよ・・・助けて・・・」
社長が到着し、落ち着きを取り戻しました。
落ち着いて話をして、トが乗り込んできた場合、騒ぎ立てるのであれば直に警察に連絡する。部屋には入らせない。と決めました。
社長が帰宅し、テルを寝かしつけるも、なかなか眠ることが出来ずに夜は過ぎていきました。結局、トはきませんでした。